地中海に浮かぶ南国マルタで生活をしていると日本では経験しないような自然現象を体験することができます。
治安が良くのんびりした人々が暮らすマルタですが自然が相手だとびっくりするような出来事やショックを受ける事件がいろいろ起こります。
今回はマルタで経験した自然に関わる出来事をご紹介します。
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大雨
夏も終わりに近づいた9月下旬ごろから、それまでカラッカラに晴れていた
マルタがだんだんと雨期に向かい、雨の日が少しずつ増えてきます。
しかしマルタの雨は日本のように1日中降るということはありません。
皆さんも日本で夏の時期にゲリラ豪雨を経験したことがあると思います。遠くの空から黒い雲が近づいてきて「ドッ」と大雨が降り、すぐに去っていく。
マルタでもあの雨のように短時間だけ降る雨がほとんどです。
しかし日本と違うのは、「ドッ」っと降るのではなく…
「ドカーーン」
と降ってきます。
比喩ではありません。本当にドカーーンという音がします。
あまりにも大量の雨が一気に降り、建物の屋根や屋外に置いてあるテーブルなどに当たってドカーーンという音がします。
ある日の夕方に少し早めの夕食を食べていたら突然天井から
ドカーーンという音がしたときは本当に驚きました。
空から飛行機の部品でも落下してきたのかと思ったくらいです。
そしてMagister Academyの屋上テラスは一瞬で洪水状態です。
ただ水はけはいい作りらしく、雨が止めば割とすぐに復活しますが。
厄介なのは洗濯物です。
屋外に洗濯物を干していた人は残念ながらやり直しとなります。
降ったのを確認してから取り込みに行ったのでは手遅れなのです。
洗濯機から出した時よりも濡れているでしょう。そのくらい極端な大雨が降るいうことをぜひ覚えておいてください。
南国の自然というものを思い知る体験でした。
蚊・大量発生
夏のマルタで人間の1番の敵は「蚊」です。
部屋にも、キッチンにも、テラスにも大量の蚊が飛び回っています。留学生たちの腕や足はいつも虫刺されだらけでした。
毎日朝起きてテラスで朝食を食べるときに
「昨日は8か所も蚊に刺されたわ」
「私は10か所~」
とシュールな報告しあうのが留学生たちの日常会話と化していました。
マルタにに生息するかはとても強力で、日本から持っていった虫よけスプレーなど全くの無力です。
刺された痕もとても大きくなります。
学校のキッチンの天井には、蚊が触れると電流が流れて仕留めるという恐ろしいトラップがぶら下がっていて
時々「バチっ」という音がすると、学生たちから歓声が上がります。
しかし、そのようなトラップも十分ではなく虫刺されは日に日に増える一方…
このように蚊自体はほぼどうしようもありません。
しかし、一か月も経てば、腕に蚊が止まっててもなんとも思わなくなります。
来たばかりの留学生が蚊と戦っているのを余裕の笑みで見守ることができるレベルに。
慣れるってとても便利ですね!
夏にマルタに行かれる皆さんは虫刺されに効くお薬くらいを持参されることをお勧めします!
蜂・大量発生
ある日午前の授業が終わって最上階のテラスに上がっていくと、普段は賑わっている
テラスにほとんど学生がいません。
代わりに学校の職員さんがほうきと塵取りを持って、床を掃いていました。
彼は私を見ると
「蜂が大量にいるからテラスに出ないでくれ」
「蜂!!??」
地面を見ると確かに数十匹のなかなか大きめの蜂の死骸が大量に落ちていました。おそらくちりとりの中にももっといたでしょう。
原因はわかりませんが授業を受けている午前中に発見されて、テラスは封鎖されたようでした。
幸い生きて飛び回っている蜂はいなかったようで、けが人もいなかったそうですが、数十匹(百匹以上?)もの蜂が一か所で死んでいるなんて日本では恐らく目にしない光景ですよね。
もしあの数が元気に飛び回っていたらと思うとゾッとしますね。
マルタあるあるなのか、それとも気候変動等の影響なのか、とにかく留学中に蜂に誰かが襲われる事件がなくて何よりでした。
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クラゲ
マルタの1番のレジャーは海水浴ですが、海水浴にも敵が潜んでいます。
クラゲです。
その日により、場所により差はあるのですが、結構クラゲが生息しているのです。
学校の先生に聞くと、クラゲがたくさん理由は海がだんだん暖かくなっているからなのだそうです。
つまり地球温暖化ですね。
種類も数十種類はいるようです。ビーチによってはそこに生息するクラゲを写真付きで警告する看板が立っているところもあります。
中には紫色や緑色をした、いかにも「毒持ってます」ようなクラゲの写真も載っていました。
意外だったのが日本人よりも他の国の人のほうがクラゲを怖がっているということ。
体も大きく、普段小さいことを気にしなさそうなヨーロッパの人達が、クラゲが1匹でもいるとすぐ逃げて、その後なかなか海に入ろうとしません。
普段はちょっと肌寒いくらいでも平気で海に飛び込む人たちなのですが、クラゲが出たという情報を聞くとその日の遊びの計画が白紙になることも…(笑)
海水浴を邪魔されるのは残念ですが、こんなところにも価値観の違いが見れて面白かったです。
世界遺産崩壊
こちらは私の留学中の話ではありませんが、マルタでは有名な自然に関する大事件が発生していました。
マルタを形成する2つの島のうち北の島「ゴゾ島」には有名な世界遺産がありました。
「Azure Window」(アズールウインドウ)と呼ばれる天然の岩が削れてできた大きなアーチです。
マルタを代表する観光名所でもあり映画の撮影地にもなったことがあるそうです。
アーチの向こうに見える地中海がとても美しいですね。
マルタのことが書いてあるどのガイドブックにも載っている定番中の定番スポットです。
海にそびえる雄大さもあってマルタの国民も誇りを持っていたでしょう。
しかし2017年、ゴゾ島を襲った嵐により、なんとこのアズールウインドウは完全に崩壊してしまいました。
本当に「完全に」。
上の写真に写っている岩の部分全て今では全く残っていません。
日本でも最近沖縄の首里城が大変な事件に見舞われましたが、まさしくあのくらいの衝撃だったでしょう。
沖縄と言えば首里城、ゴゾ島と言えばアズールウインドウでした。
観光立国のマルタにとっては大打撃ですね。
人工物ではなく自然の遺産が消えてしまえばもう復元のしようがないだけに本当に悲しい出来事です。
近年、日本でも大型の台風がなんども直撃して毎年甚大な被害が出ていますよね。ちょうど私の留学中に日本では関西国際空港が台風の結果浸水で使用不可となっていました。
関西出身の日本人留学生たちが帰国できないで困っていたのをいたのをよく覚えています。
マルタのある地中海でも温暖化で海が暖かくなり、「メディケーン」(地中海という意味のMediteraneanとハリケーンHurricaneを合わせた言葉)と呼ばれる大型の嵐が頻繁に発生して周辺のイタリアやギリシャでかなりの被害が出ているようです。
飛行機で20時間離れたマルタと日本で温暖化による自然の猛威を知ることになって、地球規模で考えさせられる経験でした。
まとめ
今回はマルタで直面する自然の猛威についてお話しました。
爆音とともに降ってくる大雨や大量の蚊や蜂は日本ではあまり経験しないびっくりするような問題です。
一方温暖化の影響による嵐で世界遺産が崩壊やクラゲの大量発生というのは我々日本人も他人事ではない気がしてしまいます。
考えてみれば日本とマルタは同じ島国ですから共感できることは探してみると意外に多いのかもしれません。
言葉や文化の違いを学ぶのも面白いですが、こういった差を実感するのもとても有意義なことだと思います。
マルタに遊びに行かれる際はぜひ気候や生き物など自然にも注目してみてください。
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